お待たせしました。有機農協のネットショップ有機市場再開しました。 北海道有機市場

自然農業社・壮瞥町

有機圃場面積:735a 認定機関・認定番号 JASCERT・A15-061901
大根、ズッキーニ、小豆、黒豆

みらいすくすく通信第466号で紹介(2020.9)

 小田さんは東京都出身。となりで養鶏を中心とした事業を30年以上営む「たつかーむ」(由来:立香のファーム)の従業員を経て完全独立し、38 歳で新規就農、それも会社形態で、さらには障害のある方と雇用契約を結ぶというスタイルで6 年目を迎えています。たつかーむも、障害のある方と一緒になって運営する事業所です。
 有機農業へのこだわりを聞くと、肥料はたつかーむの鶏糞が主。そして驚くのは害虫駆除を行わないということ。害虫の存在も天敵が生きていく上では必要と考え、天敵が出てくるのを待ってさまざまな微生物、生き物が生息する環境を重んじます。「有機農業は作り続けると、生き物が増えていき土地がどんどん豊かになる農業。持続性を考えると、作り続けるたびその良さを思い知らされます」と小田さんは言います。そしてまさにこの考え方が、自身の独立にも影響を与えました。
 「独立は考えていましたが、当初は農業のことだけでした。それが福祉をやっている職場にいたことで、今ではもうどちらも同じくらい大切で、切り離せません。」自然農業社の理念は、それぞれが互いの個性を認め合い、個性を充分に活かし自然なかたちで働ける職場環境づくり。自然界での学びを人間界でも同じなんだと実践するところに、言葉の重みが沁み渡ります。作柄も、はじめはいろいろと作っていたそうですが、労働作業のことを徹底して考慮して選択されています。まずオペレーションが煩雑でないこと。そして露地で栽培できること。ハウスは寒い北海道での暖気確保に重宝しますが、日中の作業は高温のため早朝の作業が要求されます。障害のある方には働きにくい早朝の労働を避けた結果の露地栽培というわけです。さらには北海道での農業の会社形態は冬がネックとなり通年雇用が難しいもの。そこで冬でも加工品として出荷できる切干大根や豆類といった選択になりました。野菜を乾燥させる加工所は、小田さんのDIY。「豆の選別が得意な人がいれば、ダイコンの乾燥作業が得意な人もいます。さまざまな受け皿を作ることで個性が活きる場が生まれます。」社名も、何をやっているかがすぐわかることを第一に、「~社」とつけることで、ここで働くみんなが、この会社の一員であるといつも思えるようにと、細やかな思いで名づけました。
 自然農業社は、「就労継続支援A 型事業所」という障害のある方と雇用契約を結び、自立を支援する事業所。一般就労へと進まれた方はいますか、と聞いたところ「ここでの農体験を経て、実家の農家を手伝うために退所した方がいました。それまでは親御さんとの関係があまりうまくいっていなかったようなのですが認められたようです。これはとても嬉しかった」取材中、「みんなでやってます」や「やりがいがありますよ」と、我を主張せず平静だった小田さんの顔がこの時だけは綻びました。
 壮大な自然を前に、個々の特性を発揮しながら労働に励む光景を目の当たりにすると、物的な豊かさとは、もはや過去の価値観と感じることでしょう。今の経済体制では「障害」と呼ばれるものも、みんなで助け合い特徴を発揮しあう近未来では「個性」という呼び方に変わっているのではないでしょうか。みんなで作った、自然農業社の野菜を美味しくいただきましょう!

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