お待たせしました。有機農協のネットショップ有機市場再開しました。 北海道有機市場

1.5ファーム(長義雄)・石狩市

有機圃場面積:842a 認定団体・認定番号:JASCERT・A01-072404
じゃが芋、大根、アスパラ、きゅうり、南瓜、トマト、なす、いんげん、枝豆、にんにく

みらいすくすく通信第519号で紹介(2021.9)

 先代の長良幸さんが北海道に憧れ、一家で入植してきたのが1980年頃。初めは畜産農家としてスタートしていましたが、その後牛肉の輸入自由化が始まるとわかり、農家への転換を余儀なくされました。当初から健康のことを考えていたため、躊躇することなく有機JAS施行以前から有機栽培を始めるに至りました。6次産業化という言葉が使われる以前から加工業にも目をつけ、実際に実践し始めたことから1次産業と2次産業の間の1. 5をとって農場名にしたそうです。

 「絶対やりたくなかった」。幼少を振り返り、次男の義雄さんは言います。今でこそ「うちは大自然の中で有機野菜を作っています」などといえば羨ましがられることもあるのでしょうが、今から約40年前、バブル崩壊前の1980年代ともなればまだまだ成長、消費の真っ最中で、若者であれば都会的な生活に憧れたことでしょう。工業系の学校に進み、社会へ出たものの好景気が終わり、自然な流れで家業を継ぐことになりました。しかし、農環境としての条件は過酷。都会からはるか離れた田舎、まわりに有機農家はほぼ皆無、土はもともと農業向けではない粘土質で、さらには草木が繁茂し虫が多いため葉野菜は無理というスタートライン。それでも春はアスパラに始まり、ナス、キュウリ、トマト、インゲン、エダマメ、ニンニク、カボチャ、ミニカボチャ、ダイコン、ジャガイモといった幅広い野菜を有機農協へコンスタントに供給しています。今年は異常な干ばつにより最初に植えたダイコンは廃棄。途中で潰して植え直したことで生産量は例年の2/3程だそう。「毎年、これ位やればこれ位の収入と、年頭に計画を立てますが、年々気候変動で思うようにはいかないのは辛いところです。」冬期は除雪の仕事が定着しつつあり、近隣の知人の中には農の簡易的な時期は農業は奥様に任せて、大工などの兼業を始める人も出てきたそうです。当初地域に6軒あった米農家は現在2軒。廃業した農地を近隣に委ねていくにつれ面積の拡大かつ人手難となり、農薬や化学肥料に一層頼る悪循環から、やがてそれすらも追いつかず雑草が生い茂る風景も。

 それでも義雄さんは4人の子の父。この過酷な環境下の中で、生産の傍ら、数々のアイデアを実行に移してきました。近隣の若手農家と組んだ近郊への野菜セットの宅配、鮮度のいい野菜を届けるべく小売店への直卸、大手加工食品店への加工品の卸、インターネットによる直売等々。一方で見方を変えれば、特にダイコンやジャガイモといった根菜は、固い土の中、生き延びようと力強く成長します。過酷な環境が、野菜を強く、旨くするのです。

 「先日近所の農家をやめられた方で、400アール(200m四方)の土地を見てほしいという話がありました。そこを今どうしようかと考えています」。過酷な環境下で美味しく育っているのは野菜だけではありません。フロンティアスピリットを継ぎ、たくましくこの地で生きる義雄さんの今後の挑戦を応援したいと思います。

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