お待たせしました。有機農協のネットショップ有機市場再開しました。 北海道有機市場

ちいむれグロリア農園(武藤 講三)・上富良野町

有機圃場面積:428a 認定機関・認定番号 JASCERT・A01-033001
紫たまねぎ、じゃが芋、長芋、小豆、黒豆、パンダ豆

みらいすくすく通信第522号で紹介(2021.10)

 「古株というと聞こえはいいけど、技量の未熟さとこの天候で、今年はもう散々」。納屋から聞こえてきた声はとても若々しく、長い髭に伸びた髪、体格もがっちりと現れたその風貌は、英国の人気ファンタジー「ハリー・ポッター」に出てくる森の番人、ハグリッドのよう。

 武藤さんは三重県出身。山や川に囲まれた田舎で育ち、自然と北海道に憧れ、酪農家を志して20歳で来道しました。月数万円の給料のある酪農の住み込みの仕事を9年間、浜中、恵庭、別海と渡り、20代は念願の牧歌的風景の中で過ごしました。それでも年を数えるにつれ、自身の独立のことを考え始めたとき、酪農業は土地や牛、設備など多大な初期投資を必要とすることで、武藤さんは酪農家の道を諦めました。「自分の無力さを痛感させるようなことがあったり、将来の不安など、最後は心が折れて、挫折感を味わいました」。

 そんな時に、上富良野で有機野菜を栽培する酪農家との出会いがあり、また有機野菜のグループを立ち上げるとなったとき、その仲間に入れてもらえることになり、今の農園をスタートすることができました。「今でこそマイペースでやってますけど、最初は必死でした。融資で返済もあったし、プレッシャーもすごかった」。慣行のやり方はわからないんだけど、とおどけますが、有機JAS制度前から有機栽培をスタート。除草は手作業、カルチ(トラクター後方に付ける除草機具)、培土等、堆肥は牛ふんを切り返したものを主に入れるとのこと。現在もマイペースとはいえ、始まりは1月の除雪に始まり、11月まで出荷、12月もナガイモの手掘りと、決してラクをしているわけではありません。自家用のお米や養鶏も続けています。「今年は経験したことのない干ばつでタマネギは小さいし、ゴボウは発芽しなかった! ニンジンも形がどうなることやら」。農的な暮らしが幸せで、業績アップといったことには興味がいかないそうですが、この気候変動では自然まかせのやり方もそろそろかと限界を感じているそうです。かつては研修やWWOOF(オーガニックの農作業で住まいと食を提供する世界的ボランティアのしくみ)も積極的に受け入れており、「ちいむれ」(小さな群れ)「グロリア」(栄光)という農園名はその時にわかりやすいようにとつけたそうです。

 「大自然の中で、自分は無力だけれど、だからこそ、大きなところで生かされ守られていると感じます。そう考えると、不安もないし、自然とうまく進んでいくと思えるようになります」。自然の中で生きることに喜びを感じ、挫折を知る、心優しい森の番人。武藤さんの野菜からは、そんな味が伝わってきます。


みらいすくすく通信第467号で紹介(2020.9)

自然へのあこがれを持って、三重県から北海道にやってきたのは20歳の時でした。何件かの酪農農家での研修を経て、最後にたどり着いたのが上富良野町でした。研修先の農家は酪農の他に有機農業もしていて、この時、武藤さんは有機農業と出会いました。自然にあこがれ北海道に来た武藤さんにとって、有機農業は進むべき方向として迷いはありませんでした。

「農村の暮らしの豊かさ」

 「空気が美味しいと感じたり、山がきれいだと感じたり、暮らしの中で自然を感じることができるから、農村の暮らしは豊かだと思うのです。」と武藤さんは言います。
 高校卒業後、2年間東京で暮らした経験から、都会で自然を感じることは難しいと思いました。そんな武藤さんにとって、上富良野で自然を感じる暮らしはとても豊かな生活なのです。しかし、自然は厳しく、自然の中での農業は体に大きな負担を強います。例えば、豪雨の影響で、傾斜地の農地の土を大きくえぐられる災害に見舞われたり、腰痛により思うように仕事ができなくなったりと。こんな時は農業をやめようかと思うこともあるのだといいますが、それでも武藤さんは、農村の暮らしをやめません。武藤さんはその理由を“農的人生を楽しむ”ためだと教えてくれました。

農村の暮らしの豊かさを伝えたい

 武藤さんは、農村の豊かな暮らしを多くの人に伝える活動として、毎年多くの人を迎え入れ、有機農業を一緒にやっていました。農作業を通じて農村の暮らしを体験してもらい、それぞれが今の暮らしやこれからの進む方向について感じることがあればうれしいのだと武藤さんは言います。残念ながら、年齢的な理由で受け入れをやめることにしたのだそうですが、時折武藤さんを頼り宿泊に来る人がいるそうです。武藤さんの思いは、多くの人に影響し、その人たちの暮らしの豊かさに対する考え方の助けになったのだと感じました。

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