有機農協のネットショップ有機市場・旬の有機野菜を全国へお届け。 北海道有機市場

おひさま農園(知久秀美)・音江町

有機圃場面積:17a 認定団体・認定番号:ACCIS・A15-060801
ピーマン、パプリカ、ビーツ、きくいも

みらいすくすく通信第513号で紹介(2021.8)

 「自分が食べたいものを作りたい」という夢に向けて2002年、深川市の就農制度を活用して、知久さんは一歩を踏み出しました。2年間、農家の元で研修し、2004年に新規就農。さまざまな助成がある一方で、作付けは自治体の打ち出していくものという要請もあり、最初はピーマンのみで12.5a、ハウス4棟のコンパクトな圃場で、現在は17aで5棟のハウスになりました。防除は、初めの頃は化学農薬は使ってないものの、デンプンの農薬を使い、次第に天敵の蜂を利用したり、農薬に頼らなくてもピーマンは育ってくれるので、と自分が食べても安心、ということに留意していましたが、売り先が決まっており有機JASを取得しても買取額に変わりはないということで、当時は取得していませんでした。3月から育苗、4月下旬からマルチとトンネルを使って定植、6月頃から秋まで収穫というのが1年の流れ。最初の頃は手が回らなくて親に手伝ってもらったこともあるそうです。病気に悩まされた年もあり、「土壌還元消毒」という、ビニールで地表面を覆ってハウス内を高温密閉し、微生物を増殖させる手法も採りいれたりしたそうですが、今では土が強くなってきたのか、収穫は順調に推移しているとのこと。

 知久さんは愛知県出身。北海道に憧れ、また、自給自足というものに憧れていました。一度は地元の会社に就職しますが、自給自足を北海道で営む、ある団体の本を読んで、いてもたってもいられなくなり、20代で北海道への放浪の旅を始めます。当初はその団体のスタッフをめざすつもりでしたがそれは叶わず、「とほ宿(やど)」という旅人向けの安価な宿を利用したり、積丹にある北海道有機農協の正組合員、高野健治さんの高野ふぁーむで1シーズン、住み込みで農業体験をしたりもしました。その後、手に職をつけようと帯広にある木工の学校に通い、置戸で木工の研修をしました。

 ここで知久さんの北海道移住計画の序章は幕を閉じ、いったん本州へ戻り、埼玉で暮らしていましたが、それでもやっぱり北海道での暮らしを諦めきれず、由仁町で数年暮らした後、かくして縁があった深川での農業生活、移住計画本編が幕を開けたのです。ひとりでの北海道放浪や就農は不安ではありませんでしたか?と聞いてみると、「(植物の)樹を見ながら、樹と二人三脚でやっている感じで、今とても楽しいです。ひとりも意外と好きみたいです(笑)」と微笑みながら答えてくれました。かつては親を駆り出していた作業も今ではパートさんが3人、春先にはトラクターを持つ方に畑起こしをやってもらったりと、多くの方に支えられているそうです。

 農場名「おひさま農園」の由来は、「人も野菜も、無限の愛情のような太陽の力があってこそだから」とのこと。太陽の光をいっぱい浴びた、おひさま農園の野菜を今年もいただきましょう。

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